日本人の強烈な反イスラエル感情の精神構造を探る、日本赤軍から右翼、左翼、長崎市長、被団協まで


 ハマスのイスラエルへのミサイル攻撃に端を発する紛争で
日本のマスコミ・メディアの報道ぶりは徹底してイスラエル
批判である。また右から左まで揃ってガザ可哀想、イスラエ
ル悪逆非道のスタンスに徹している。ハマスのミサイル攻撃
、ヒズボラのテロ行為、イスラエルの攻撃には目を閉ざし、
基本批判はイスラエルに集中している。長崎市長はロシアと
イスラエル同一視で欧米の各国の怒りを買った。「戦争行為
を継続中」でだめなら戦争が最大の産業と云えるアメリカは
常に国内では常に排除されなければならないが、アメリカの
戦争は完全に追認である。だがイスラエルの生存のための戦
い、反撃は全く非道な行為として認めないのである。ハマス
が民衆に完全に入り込み、民衆を盾とする戦術だからイスラ
エルとしても難しい。戦線が形成されにくい。

 ともあれ、日本人のイスラエルへの理解、同情は極めて低
レベルにある。古来から現在も、である。逆に欧米にはイス
ラエルは絶対的な存在、精神的支柱である。。その部分が全
く日本人にはない。

 「西側」は日本には、これも絶対的な存在、正当さの依拠
すべき存在であり、西側と同一歩調は日本の外交の根底にあ
るが、日本はくにもマスコミ・メディアも国民もイスラエル
を「西側」と見做していない。逆に攻撃対象である。この
点において日本は欧米各国と、西洋世界と根本的なギャップ
がある。要は欧米と日本は「精神世界」は全く全くことな
るのである。

 まずキリスト教徒の割合がアジア各国と比べても日本は
格段に低い。早くから西欧文明を取り入れたとはいうが
ついに日本人に浸透しなかったキリスト教である。もちろん
、歴史的に豊臣秀吉、江戸幕府、明治政府から特高のキリス
ト教排撃、弾圧の長い歴史があるにせよ、戦後も現在でも、
なお1.5%程度、しかも70%は東京、神奈川である。韓国で
は30%近いし、フィリピンはアジアのキリスト教国で95%
以上、台湾でも10%近い。あれだけミッション系の教育機
関が溢れていて、この異常なキリスト教徒の低さは特筆も
のであろう。

 日本人の親欧米の感情、また国家的な欧米追従とは全く
異なるのがキリスト教への態度である。戦後、イスラエル
の建国、映画「栄光への脱出」のとおりだが、そこにはパ
レスチナ人がいた。日本人のパレスチナ人への同情は際立
っている。むろん、戦時下のアジア各国の戦争被害には関
心を持たない、その日本人はパレスチナへの限りない同情
を持ってしまう。イスラムへの理解、同情はまた皆無だが、
イスラエルの行為には限りない怒りを、パレスチアには同
情を持つのが日本人である。別に日本人があらゆること、
弱者に慈悲深いわけではなく、イスラエルとなると、無性
にムカついて、腹立たしくなるのである。

 それはマルクス主義、世界革命の旗印の日本赤軍がパレ
スチナを闘争の拠点とし、あまつさえテルアビブ空港での
乱射事件、巡礼の人たちに多数の犠牲者が出るなど、本来
無関係な日本人、マルクス主義世界同時革命を目指す日本
赤軍がイスラム世界でイスラエル攻撃である。

 右翼もイスラエル大使館襲撃、被団協も「ガザの幼児たち
と我々の思いが重なる」ちょっとノーベル平和賞の資格に
疑問も感じられるが、それらに流れるものは日本人のイス
ラエルへの違和感、胸クソが悪くなるような反感なのである。
ハマスへの自衛という意義を全く認めようとしない、欧米は
日本への怒りを隠さない。ウクライナのゼレンスキー大統領
はハマス攻撃で即座にイスラエルへとの共同闘争さえ提案し
たがイスラエルは丁重に断った。ウクライナには同情しても
イスラエルには断じて同情しない、ホロコーストさえ、捏造
論が日本の右翼に人気であり、首相に危うくなりかけた高市
早苗は悪びれもせず、日本ネオナチ党党首とツーショットで
あった。

 この日本人の反イスラエル感情は要はキリスト教への反感
がベースにあり、さらに旧約聖書、ユダヤ民族への無知と無
理解があることは間違いない。「西側」は絶対的な正義の基
準でも、「西側」=欧米の精神的支柱のイスラエルを理解で
きない、日本人の精神構造を考える点で興味深い。


 テルアビブ空港乱射事件で生き残り、逮捕された岡本公三

 ダウンロード (17).jfif


  イスラエル攻撃の被団協、箕牧智之代

 ダウンロード (18).jfif

この記事へのコメント