あまりに愚劣な文春オンライン「謎の通過駅」!要するに東京のライターが無知、無教養なだけ!中国地方への侮蔑が露骨


 ネットで見たくもないのに文春オンラインに「謎の通過駅」
シリーズがある。多くは山陽新幹線、「こだま」のみの停車駅
がそのターゲットになっているようだ。関西の駅も取り上げて
いるようだが、山陽新幹線の「こだま」のみの停車駅に対する
ような侮蔑感はあまり感じられない。

 謎の通過駅として「新倉敷駅」、「東広島駅」とか「三原駅」
などをちょっと読んだ。結論は、これを書いた文春に依頼された
ライターが単に無知というだけとわかった。新しい駅名となった
「新倉敷駅」、また「東広島駅」、まして歴史と伝統を誇る「三
原駅」、・・・・・ライターは誰か知らないが、あまりに無教養
だ。「これはひどい」と感じたが、そのような無知、無教養に由
来の文春記事は、中国地方の紹介全般に見られる。論外だろう。

 まずは「新倉敷駅」が「謎の通過駅」、新幹線は「こだま」は
すべて停車だが、「ひかり」も一部停車する。「東広島」はあの
酒で有名な西条に八本松町が加わって合併し、かなり前に「東広
島市」が出来た、その名称にする。山陽新幹線が最初開通時点で
は駅はなかったが、広島大の全面(医学系を除くが)移転で発展が
著しく、あらたに新幹線駅が設置となった。「新倉敷駅」は古来
の「玉島駅」を新幹線開通時、「新倉敷駅」と名称を変えたもの
だ。この名称は事情を知らない遠方の人には、いかにも「謎」と
捉えられやすく、不適切な駅名変更だった。例えば「西倉敷」と
か、にすべきだった、もし変更するなら、だが、もうどうしよう
もない。新倉敷駅は、こだま、で岡山駅まで9~10分という、実
はおおきな強みを持つ。

 ただ問題は、山陽鉄道敷設開通時、当時、瀬戸内の三大港とし
て栄えていた玉島港、「鉄道が通ると港が廃れる」という反対運
動があって、玉島の街を遠くはなれた「長尾」村に「玉島駅」が
出来た。「あれは玉島駅ではない、長尾駅だ」と古来、云われた
ほど、この事情もよく知らない人にはさらに「謎」と受け止めさ
せる要素だろうが、まあ、ライターーの無知に変わりはない。

 ともかく歴史は、複雑な事情は絡むが紛れもなく存在する。無知、
文春に頼まれて書いたライターは無知にせよ、筆致が侮蔑的だ。許
されることではない。

 宇野千代さんの名作「おはん」のラストの部分にこうある。

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   お人の話によりますと、備中玉島の停車場(すてんしょ)の傍(ね
き)で、たしかにおはんの立っているのを見たと言いますけに、
ひょっとあそこいらで町屋奉公でもしてますことか、へい、死ん
でしもうたりするはずはござりませぬ。ただ私の眼の前から消え
てしもうて、阿呆な男の煩悩をなうしてやろうと思うているに違
いござりませぬ。

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 映画「おはん」、ラストシーン、ロケは山梨県内

 
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