確かに歯痛で死ぬことはまずないが、へたな死病よりつらい面がある

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 通常、歯痛を生じさせる病名はカリエス(虫歯)、歯髄炎
、根尖性歯周炎、それと歯周病である。それと、難性智歯(
埋伏か半埋伏の8番歯冠周囲炎。だが「歯痛」の典型はカリエ
ス由来の歯髄炎、根尖歯周炎である。根尖性歯周炎は歯髄炎の
拡大、根尖から顎骨に感染が拡大したものだから、要は歯髄炎
の一種である。

 現実に歯痛に襲われたら、端的に云うならば、そんじょそこ
らの死に至る病より遥かに深刻な苦しみをもたらす。歯痛から
の解放と人工的な咀嚼力の回復が歯科医学の二つのメインの目
的である。まずは歯痛からの解放だが、これは古来、多くの人
が苦心惨憺したことである。

 まずは鎮痛剤、ボルタレンがまず最優先で処方されるべき。
ただ原因まで除去でないが、鎮痛剤、咬合力を加えないよう
に鎮静をまず心がける。

 歯髄炎から感染が根尖から顎骨に広がれば抗生物質という手
段もあるが、注意が必要である。

 圧倒的に日本で多用、乱用されてきたセフェム系抗生物質、
特に第三世代セフェム系抗生物質、バナン、トミロン、セフゾ
ン、フロモックス、セフニジルメイアクト、などは服用では腸
管から吸収されず、まったく効果がない。特に病院ではフロモ
ックスが多用されていたようだが、やはり小麦粉の価値もない。
なら点滴で、というが入院患者にでもならないと静注、点滴は
非現実である。第2世代のオラセフなどは、なお多用されてい
るがやはり吸収率は低く、もはや期待は持てない


 通常の服用で圧倒的な吸収の良さ、抗菌スペクトルの高さで
ニューキノロン系となるが、これも効果の低い商品が多く、
現状は「クラビット」そのジェネリックのレボフロキサシン
が第一選択となる。実際、圧倒的に医学、歯学でも使われてい
る。それ以外のニューキノロン系の効果はさして高くないと
いわれている。実際、処方してみて、あまり効果は認められな
いものもある。

 以上は簡単な抗生物質論議だがクラビット、レボフロキサシン
を使う場合、必ず一に一回、500mgから最大750mg、服用する
ことである。濃度依存の性格が強いためである。


 だが一般的な最重要な歯髄炎、これに由来の歯痛は本当にま
さに主役である。歯牙の内部の歯髄に炎症が限定だ抗生物質は
まず効果はない。そこで歯科医院?すぐ、なら抜髄するだろう
か、歯髄除去で、と云うが多くの場合、大臼歯、容易ではない。
留学した人の話によれば、ドイツでは大臼歯の進行した歯髄炎
抜髄、根管治療でなく、基本、抜歯とするそうだ。

 基本は齲窩の開放、抜髄、かそこまでやらずとも、ひとまず
鎮静療法で様子を見る、重度でなければ歯髄炎は自然と治まる
ことが多い。

 歯痛の人の身になれば、中々出来ない、虫歯、カリエスの
ワクチン!だが、下手すりゃ、歯科医は首をつる羽目になり
かねない。現実も不可能である。

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