中国、ガリウムなどレアメタル、希少資源の対米禁輸、「金属」不足が人類最大の問題に急浮上
何気なく報道を聞いている場合ではない、「ああ、中国がつ
いにアメリカへの報復でガリウムなどを禁輸にしたか」では
到底済まない。今世紀中に大半の金属が枯渇するという状況
の下、半導体の絶対的必須のガリウム、ゲルマニウムの禁輸
を中国がついに実行に移したのである。では、日本は?対日
は禁輸ではない?日経の報道にもあるが今年、2024年9月の
記事だが中国は日本に対して一部のレアメタルの禁輸を発動
した、ということだ。だが、そもそも半導体の中国への輸出
規制への報復のガリウム対米禁輸だから、完全にアメリカに
同調した日本へもガリウムなど禁輸、実質禁輸は当たり前な
話である。ただし中国はガリウム化合物で最重要なものは、
実は注意深く禁輸対象から外している。トランプ次期大統領
の出方をまずは見る、という巧妙な戦術である。
エネルギーの問題ばかり騒がれるが、エネルギーはある意
味、無尽蔵である。だがエネルギーを生み出し、エネルギー
を運び、実用に供するためにはあらゆる金属が必要となる。
今は「脱炭素」ドグマに夢中の多くの人類だが、まさに脱炭
素ドグマによる再生可能エネルギーは無尽蔵の金属資源を前
提としている。エネルギーが贅沢なのではない、ただ金属資
源だけが贅沢なのであるが、際限もない金属浪費を当然視し
ている。
ガリウムは半導体製造のキモとなるレアメタルであり、現
実的に代替物はない。現代のあらゆる工業製品に半導体がな
いものなどあり得ない。
アメリカは最先端半導体の中国への輸出を禁止、日本にも
同調を呼びかけ、半導体製造装置の中国への輸出を日本も禁
止した。ガリウムの対米禁輸はアメリカに完全同調する日本
への禁輸と見ても間違いない。
ガリウムは単体として存在しない、希少資源でほぼアルミ
精錬の副産物、アルミン酸ソーダ溶液から酸化ガリウムを沈
殿させて、これを電解によってガリウム単体を得る、・・・
ならアメリカも日本もアルミ製連を大々的に行えばいいでは
ないか、といってこれが容易ではない。金属資源は探鉱、採
掘、精錬、加工、製品化、の流れだが至難である。これを長
年、徹底してローコストで行ったのが中国である。資源が存
在するだけではどうしようもない。
ガリウムは狭義の半導体製造だけでなくLED製造、光通信
システム、非破壊検査、高音計測機、低温融点合金、先端的
ソーラーパネル、また将来的には核融合炉の冷却材としての
用途も考えられるなど、・・・・・・ガリウムなくして何も
なし得ない、と云って過言ではない。
ガリウムは重要でも同様に、絶対欠かせない、レアメタル、
重要資源はまた数多い。問題はありふれた銅資源だが、近未
来枯渇が確実視されるほど資源量が少ない。だが脱炭素は特
に銅資源の無尽蔵さを大前提とする。
眼の前の問題でではアメリカ同様、ガリウム、ゲルマニウ
ムなどの禁輸をされる日本がどうするか、である。自動車製
造も遠からずデッドロックに乗り上げるだろう。
グレタ教、脱炭素ドグマ、気候変動論に酔うのも今のうち
である。エネルギーではない、それ以前にブツがない、金属
資源、希少資源の窮迫である。人類を潰しかねない最大の要
素である。現代文明の恩恵にどっぷりつかる人類にとって最
も怖ろしいことは、まさしく金属資源の枯渇、実質的な枯渇
である。今後の最大の問題として人類に襲いかかる。
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