日産株を巡って鴻海とホンダでTOBでの戦いの可能性、どちらが勝てるのか?鴻海はホンダもまとめて買収も視野に
そもそも日産との経営統合、ホンダに利益があるのか、であ
る。憶測は流れているが、基本は経産省主導である。鴻海は25
年、2025年にEV世界シェア5%という確固たる目標を持ってお
り、いかなる手段を講じても実現の意欲である。ただし自前の
自動車工場は持たない、という。だがやはり理想はカーメーカ
ーの買収だろう、中国、台湾は桁外れの電機企業、IT企業が存
在している。シャオミのEV参入はすでによく知られているが、
今後は旧来の自動車メーカーではなく、ハイテク電子企業こそ
が自動車生産の中心となる、というまさにビジネスモデルの転
換がなされそうな気配だ。そこで鴻海である。鴻海は2019年に
EV進出を決定、2025年、世界EVシェア5%の目標に変更なしと
しているが、必ずしも結果は出せていない。そこで、日産買収
である。
元日産の副CEOで鴻海入りしている関氏がルノーと日産株取得
をめぐってフランスに乗り込んだ。ここまではホンダへの売却に
傾いているルノーだというが、将来を見通せば鴻海との関係を築
くほうがプラス、となる可能性はある。何よりも大きな違いは、
ホンダはただ経産省の主導の図式に乗っただけの話であり、何か
「いいもの」を提示されているにせよ、アイデンティティの毀損
という損害のほうが大きいのは明らかである。
逆に鴻海はEV世界シェア、2025年に5%という不退転の目標を
持っている。経産省に背中を押されただけのホンダと鴻海では、
執念という点で天地の差である。私は最終的にはTOBで鴻海とTOB
での争いになると予想する。三菱自動車も入っているから三菱UFJ
などの金融機関が資金を国の意向に沿って資金提供をするだろう。
予断は許さない。年間売上高はホンダが約20兆円だが鴻海は29兆円
とざっとホンダの1.5倍を誇っている。
しかし、・・・・・ホンダは日産、三菱と組んで、じゃEVをどこ
で売る?という疑問を感じる。
2023年の国別国内自動車販売台数は
トップの中国 3000万台以上、アメリカ1600万台、3位のインド
500万台以上、日本が4位で477万台である。
もともと中国は日本メーカーにとって重要な市場で、その規模は
図抜けている。だが中国の超絶戦、EVシフト、産業政策で日本メー
カーは衰退の一途、電動化を掲げる三菱自動車も中国のEV企業の圧
倒的な攻勢の前に撤退した。EV一辺倒の中国市場で、しかも世界最
大市場で日本車は駆逐されている。ガソリン車の販売を制限し、EV
への優遇は極端だが、それも中国の超絶戦である。実際、中国人に
してみれば、日本の車など、ただただ時代遅れの代物で問題外だ
と言うのだから、日本車はもはや中国市場では競争力はゼロに等
しいのである。
他方、日本国内はいかに行政が誘導、脅しをかけようとEVはさ
して先々も売れる見込みはない。ホンダEがいかに売れなかった、
それだけを考えても明らかだ。
だからアメリカ市場でEVを売りまくるために日産、ホンダ、三菱
は経営統合しようとする?アメリカユーザーがEVの日本車にどこま
でてを出すやら、未知数というより全く疑問符がつく。
その他のアジア諸国、中南米な中国の進出が著しい。なによりBY
Dの進出、ひいてはその国の独自の自動車開発を手助け、という強み
がある。
そこで鴻海による日産買収計画はホンダ、というより日本、経産
省、日本政府との戦いになる。最終的にTOBにもつれ込む可能性は
十分ある。まずルノーとの会談の成り行きが注目されるが、日産の
鴻海傘下いやさで経産省の画策のもとホンダに泣きついた、企業風
土は全く異なる。三菱と日産は国策企業の性格が歴史的に強いが、
ホンダは全く異なる。鴻海の郭会長は日産、経産省の「買収阻止」
のやりかたに逆に、渡りに船と自信ありげだという。
「いくら日産とホンダが経営統合しようと順調にことが運ぶはず
はない。ならホンダもまとめて買収できるチャンスを用意してくれ
たわけだ。円安だし、鴻海には何の負担でもない」
そりゃそうだろう、早速、パーツ、また完成車の相互融通が提案
されているそうだ、だったら日本の自動車メーカー、まあ独禁法の
制約はさておき、相互融通、共同研究で万々歳なら一社にまとまれ
ばいいじゃないか、国際的にも「経営統合」すれば万事解決するは
ずだろう、が、それが例外的なのは、統合は実際はトラブルの要因
であり、またトラブルの集積にもなり、統率が出来なくなるからだ。
分かりきったことである。
かくて郭会長、鴻海はホンダ(三菱)も日産とまとめで買収が視野
だという。中華圏は世界を制するの流れは止まりそうにない。中華
の資金力、革新性は異次元ということである。
鴻海の日産買収を宣言する関潤氏、元日産副CEO

この記事へのコメント
一にデザイン、二にデザインの自動車業界ですが、シャープの液晶技術を潰したような方向にならなければと危惧しています。