数年したら米作農家、大半がリタイア。スーパーからコメは消える。日本の断崖絶壁!

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 確かに数年先の米作を懸念する記事が多い。これは全く当然
であり、現実に日本に降りかかる問題で深刻度は比すべきもの
はない。日本人がマイカーを普通に持て始めたのは、ごくごく
最近である。何よりも米作農家の実際に米作に従事の人の平均
年齢はついに70歳を超え、最多の年齢は72.73歳である。多く
の米作に携わる知人もぼぼ70歳超えであり、「72歳でも一番若
い」という方もおられる。だから田を売りたい、が買い手もい
ないという。

 何はなくとも食料、日本人はおコメがなければ実は生きては
いけない。洋食化が進展しているからおコメはなくていい、と
いうことにはなり得ない。しかし、現実はまさしく崩壊寸前だ。
陳腐な言い方だが、社会学上のsingular point 、変異点が目の
前に迫っている。いくらパンやパスタ、麺類、イモ類を食べよ
うと、日本人には絶対におコメが必要なのだ。昨年のコメ不足
で、作況指数101であのありさまである。国の減反政策は終わら
ない。さりとて、かりに増産政策に転じても、米作農家の一挙
の大量リタイアが目前、米作を行う人がとにかくいない、のだ
からどうにも打つ手はない。

 確かに農地法の制約、戦後の農業基本法はある。じつはそれ
こそが不採算でも米作を維持できた要因である。つねにその中
で農業構造改善事業などの米作の集約化、合理化はなされてき
た。さらに団体による大規模米作、それに続く企業参入も可能
になっている。米作農家の売り渡しの優先度が最も低いスーパ
ーはそれを察し、イオンは米作に乗り出してはいるが、日本の
米作の要求量、底の深さから企業が参入でコメ不足は到底、解
決は出来ない。自らの店舗での販売分をいくばくかまかなう程
度である。おコメの優先的納入先は学校、病院、外食産業であ
り、安売りしか考えないスーパーは最も優先度が低い。最初
に消えるのはスーパーのおコメだ。だが一般消費者はどうす
るでらう。

 それにしても第二期安倍政権の全農つぶし、米価切り下げ
政策が国内の米作に与えたダメージは甚大だ。プラスの農政
が放棄されたのであるから。

 とにかく米作は不採算で合理化、集約化は必死でなされた
が、それでも不採算、さらに最近のあらゆる経費の高騰は赤
字にならなければいい、くらいで2023年、米作農家の手もと
に残った純益は平均一万円だという。

 兼業農家の米作の基盤、若い日本、高度経済成長での働き
口の豊富さ、まだ肥料、燃料などのひどい高騰がなかったと
いう諸要因も完全に破綻している。

 まさに日本の真の危機だ。輸入でまかなえない日本のコメ
の品種だ。少なくとも納入優先ランク最低のスーパーでおコ
メが買えなくなるはずだ。米作農家の鼻ヅラを掴んで引き回
すようなスーパーにおコメを売る義理もないわけである。
 
 とにかく、おコメを作る人がいなくなる。赤字でも米作
を継続させていた社会経済条件も事実上、壊滅である。議員
定数は「一票の格差是正」を錦の御旗に農村地域、地方の定
数は極限まで少なくなっている。思うに国は国民だけではな
く、国土にこそ責任があるわけである。大都市に人口が集中
しようが、国土に配慮した議員定数もあってしかるべきだと
考える。農村の思いがますます政治に伝わらなくなっている
のは否めない。大都市の極小の選挙区では米作農家に配慮す
する政治家は出てきにくいのは、これも当然だろう。

 現実に問題、たしかに安倍政権で極端な米価の低下を招い
た影響はなお尾を引いて、昨年のコメ不足で多少は価格が上
昇はしたが、さりとて米作りに入る人の数が飛躍的の増加の
可能性はゼロである。現状維持がそもそも全く不可能なので
ある。何千年もの日本人のDNAかしたおコメへの離れがたい
食習慣をおいそれと変えられるはずはない。数年先にもはや
スーパーにおコメはほとんどない、の可能性は非常に高い。
幻想遊戯にひたる暇はないのである。

 

この記事へのコメント

killy
2025年01月12日 12:28
30年ほど前の田舎では、「定年退職者をもって農業後継者とする。」
ということを冗談で言われていました。
これは、その年代の方が幼少の頃より家業を手伝っていたから定年後に農業へ従事できたので、今は無理です。