6月くらいになったら、こつこつ、おコメを買い溜めておくべきか?コメ不足は今後、常態化する。作る人がいなくなるのだから。

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 昨年のコメ不足、作況指数は101にも関わらず晩夏以降、
購入困難な状況となった。すぐに「酷暑、地球温暖化」のせい
だ、とカルトドグマに浸るマスメディア、また政治家たちは言
ったものだが、これは要は、日本のコメ作りの歴史がひたすら
耐寒性の向上に注がれた品種改良だったために、熱帯性植物で
ありながら日本で栽培されるおコメが酷暑で品質低下をきたし
まい、そこで出荷の抑制も行われたことは確かだ。

 だが真の原因は、要はコメ作りを行う人が激減し、ますます
エスカレートし、ついには絶滅しかねない、という状況がある。
米作農家のコメ作り従事の人の年齢で最多は72歳であり、平均
年齢も70歳に迫っている。今年、来年くらいまでは何とかなる
かもしれないが、数年先、それ以降を考えるとお作真っ暗であ
る。

 そうなると、どこかの経済雑誌にあったような記事「小規模、
零細農家がやめるのはいいことだ、規模の拡大が可能になる」
現実を知らないとはこのことだ。ずっとまえから農地法のもと
での農業構図改善事業、合理的なコメ作りへの努力はなされて
きていた。21世紀以前から法人によるコメ作りの推進、さらに
企業によるコメ作りも認められている。事実、イオンのように
おコメの確保のために企業として米作に乗り出しているケース
もある、決して少なくもないが、・・・・・・しかし、どこま
でいこうとコメ作りは天候気象に大きく影響され、病虫害、鳥
獣の害など、それが一年近く継続だから企業としても容易にで
きるものではない。円安での農機の動力の燃料費の高騰、肥料
や農機具の高騰、諸経費の増大、しかも機械化をしても人力は
絶対に必要となる。コメ作りは非常に厳しく不採算を極める。
さらに団塊ジュニアさえもう50代半ばに迫って還暦が見えてい
る。

 団塊ジュニアに続く世代は全く先細り、である。いくらかの
米価の上昇で若い人が米作にどんどん入ってくる、という可能
性はまずあり得ない。若い人はその人数自体が激減していくの
だから労苦ばかりで不採算のコメ作りに新規で入る若い人の数は
論外に少ないのである。

 さらに国会議員、特に衆院の「定数是正」は進む一方で大都会
地域の議員定数は増えるばかり、地方、農村地域を広く含む地方
の議員定数は極限まで減らされている。東京都での小選挙は滑稽
なほど狭い。確かに選挙民は多いにせよ、これでまともなステー
ツマンが育つともますます考えにくい。日本のコメ作りを生産者
の立場から政治に政策を反映される、可能性も低くなる一方だ。

 もはや日本のコメは不足の時代は定着し、エスカレートの一途
である。日本人が食べるおコメの品種を作っているのはごく限ら
れている。国際商品としてのコメの品種は基本タイ米である。日
本人の口には合わない代物だ。

 コメ作りに従事の人がいなくなるのだからどうしようもない。
「数年先は不安」と多くの人が口にしている。もう作る人がい
なくなっていくのだから、今年ならまだ、早めに買い溜めておけ
ば何とかなるが数年先、それ以降はどうなる?である。

 おコメの出荷は病院や施設、学校、外食産業、などが優先で、
農家から買い叩いて安く売ることしか考えていないスーパーへの
出荷の優先度は最も低い。だから最初に消えるのはスーパーのお
コメである。大都会で生きる人は特にピンチである。すでに今年
も昨年来、新米は例年になく早期出荷している。夏の終わり頃に
は再びコメ不足が起きる可能性は非常に高い。

 日本人はおコメから離れられないのである。

この記事へのコメント

killy
2025年01月22日 17:17
昨年の水田は、少雨で猛暑でも水不足にはなりませんでした。
休耕田が多く水田に水が不要だったからです。
米を作っている人の平均年齢は、70歳代。
当地の開業医も70歳が多く、将来は医療危機になりそうです。