NHK ドラマ「太郎」1966~1967,石坂浩二が大手商社マン、なぜか倉敷市出身という設定。映画「若大将シリーズ」の商社バージョン
1966年12月からNHK総合で午後8時30分からの1時間番組、
1話で完結で43回というからちょっと大河ドラマ並の番組で
あった。大手商社、しかも最大手商社らしい。商社マンの若
き石坂浩二。三井物産がモデルではないか、とも噂されたが
、どこまでも娯楽作り話である。原作・脚本はあの東宝の若
大将シリーズなど天文学的にヒット作の脚本を書いた田波靖
男。歌手の田辺靖雄と似た名前。若き商社マンだから慶応出
の石坂浩二は雰囲気的にもはまり役だった、ただ印象に残る
のは郷里の倉敷市の実家、まるで美観地区?の由緒ある古民
家ような実家に帰省の回があった。なら高校は倉敷青稜?と
ならざるを得ないだろう。
もう録画テープも残っていない。具体的な番組内容は?で
あるが、そこまではNHKのアーカイブサイトでも述べられて
いない。
私のかすかな記憶を駆使し、限られた内容だが思い出して
みようか。
端的に言えば、およそ話がうますぎる、調子のよすぎる内容
だ。確かに東宝映画「若大将シリーズ」の大手商社バージョン
かもしれない、日本トップクラスの大手商社の営業マンでまだ
入社からさほど年数の経っているはずもない、いうならば下っ
端社員の石坂浩二が、社名は「世界物産」(だから三井物産を
想定?)の社運がかかるような大仕事の立役者となっての奮闘、
基本毎回そうなのだ。倉敷の実家への帰郷の回を除けばだ。常
識ではそんなトップの大商社で他に人材もいるだろうに、確かに
「若大将シリーズ」の乗りである。
ある回のストーリーをちょっと覚えている、太郎が瀬戸内海
の小さな島を物産が5億円で買収し、何百億円かの総工費をか
けての一大レジャーアイランド建設という計画に参画する。そ
れで買収契約のために現地に乗り込むという話だったと思う。
ただこの話を小島から持ち込んできた女性がいて、これは島
の持主の娘のはずで、売却金欲しさで父親に無断で物産にに売
り込みをはかったのだ。が、その兄というのが道楽息子で同じ話
を物産のライバル商社に持ち込んでいた。
でその何ともゴタゴタした話を太郎の獅子奮迅の活躍で仮契約
まで持ち込むが、今度は源平の遺跡が多いとかで地元文化人が工
事差し止めをもとめて反対運動を始めた。これに新聞なども反応
し、物産は徹底的に叩かれる。さらに工場誘致の話も持ち上がっ
ていて契約は破棄されるということだったと思う。
新聞などの批判を考えて太郎は「世間を敵に回すべきでない」
と「重役会」で滔々と熱弁し、これが通る、だったと思うが、考
えてみて下っ端のまだ入社何年かの社員が重役会で熱弁などあり
得るだろうか?だ。契約の時の手金は全部、遺跡発掘の寄付金に
しろとか、・・・・・ビジネスとしては全くの失敗、水泡に帰し
たが物産は世論、地元にもいい顔が出来た、最後は太郎、物わか
りがいい重役、社員そろって「よかった、よかった」と晴れ晴れ、
大笑いでめでたくその回は完結、・・・・・・
ちょっとおかしいでは済まないが、で原作・脚本は「若大将シリ
ーズ」の田波靖男だ。
そういえば「エレキの若大将」これはヒット作だった。でケンカ
で停学の加山雄三が日光のホテルでエレキバンドでバイト、日光の
原っぱで恋人の星由里子に「君のために作った歌だ」と始めて「君
といつまでも」を歌って披露する。そうしたら星由里子も一度も聞
いたこともない歌を一緒に歌い始める、・・・・・・おかしい、と
現場で加山がロケ中に云うと監督は
「映画だからいいんだ!」
無論、脚本は田波靖男だ。「映画だからいい!」これは真実を穿つ、
テレビドラマだからいいんだ!ということだろう。
ともかく現実はおよそギスギスしていて悲哀と苦しみに持ちたビ
ジネス社会、そこドラマ化はまず通常は陰湿になりがちだが、NHKは
三井物産?という素晴らしい会社で若手社員が理解に満ちた上役の指
導宜しきを得て巨額の金を動かし、遠慮なく上役に進言したら重役会
で認められ、正式に決定される、という大甘の理想企業、・・・・・
ということで、こりゃ、どうみても「若大将シリーズ」の商社版だ。
でも石坂浩二には最も似合った役だったと思う。郷里実家が倉敷と
云うのも良かった。何とも爽やかな石坂浩二であった。この演技が
昭和43年末からの大河ドラマ「天と地と」の主役抜擢につながった。
本間千代子、有島一郎、石坂浩二、伴淳
この記事へのコメント