消費税収入の30%以上、三分の一は輸出企業に還付される。「消費税は福祉にしか使いません」の大ウソを考える
消費税は零細な小規模な事業者、またフリーランス個人事業
者からは、徹底徴収、まさにドブさらいでもするかのようだ。
建前では「消費税は福祉、教育にしか使いません」、「超高齢
化社会の到来のために必要」、「危機的な財政」など、大新聞
など既成マスメディアの完全な「援護射撃」的な報道?での大
衆操作も完璧なわけだが、現実に個人所得税、相続税の過酷さ
は世界トップという重税国家の日本がさらに「欧州」の付加価
値税、VTAを真似ての消費税導入、政治家は「福祉、教育にし
か消費税は使いません」、もちろん金に名前が書いているわけ
でもないが、消費税収入(税収)の分だけ、福祉、教育関係の
予算が増えていて、多少でも福祉、教育の充実を国民が実感で
きているはずだが、現実は見ての通りである。
広く公平に求める、とうのが国、まあ国税庁の表向きの建前で
ある。だがこれは決して安易に真に受けるべきことではない。財
務省が真似た欧州の付加価値税、VTA、その発端のフランスの売
上税の黒歴史を探求しないとその本質が掴めない、無論、「大新
聞」などの既成御用マスコミは決して取り上げないテーマ、」だ
が重要すぎるテーマだ。
日本も戦後、取引高税の騒ぎがあったが、戦後は日本はGHQの
もとシャウプ税制で非常な重税国家となった。個人所得税、相続
が世界無比といわれるほど重税化された。欧州はと云えば第二次
大戦で完璧に経済はペシャンコになった。アメリカが圧倒的な大
国野ちいを確立した一方でヨーロッパの没落であった。まずは経
済の復興、国内市場は沈滞である。最終的には戦勝国という地位
を得たフランスも同じく戦勝国のイギリス同様、植民地紛争も相
次ぎ、経済復活は海外市場を活かす輸出しかない、と考えた、わ
けだがその最初の導入は「売上税」という名称であったがフラン
スもモーリス・ローレが1953年に考案したものである。フランス
経済復活の鍵を輸出においていて輸出補助金を行っていたが、そ
のごGATTが成立し、「関税と貿易に関する一般協定」で自国企業
への輸出補助金が禁止された。しかし現実、輸出補助金を打ち切
るわけにいかず、GATT規約をクリアーする形での「実質補助金」
となり得る制度として売上税、のちの付加価値税VTAの導入となっ
た。その性格は現在の日本の消費税、これはVTAを模倣したものだ
がその輸出補助金の隠れ蓑、という性格をそっくり受け継いでいる。
Maurice Laure フランスの経済官僚

医療機関は保険診療を行う限り、保険収入に消費税は請求でき
ない。国はそれを勘案して保険点数を決めている、というかもし
れないが実質、切り下げが目立つ。医療機関の仕入れる物品は直
説的な薬品、医療器具以外にもまず多くの物品を購入するが、要
は消費税は持ち出しである。回収は不可能である。最終的な購入
者、サービス受給者が消費税を負担と国税はいう(法の規定はな
いが)ものの、医療では不可能、保険診療では不可能である。
輸出補助金というヨーロッパでの付加価値税の本質的性格を、
そのまま受け継いでいる日本の消費税は莫大な消費税の還付を輸出
企業に対し、行い続けている。「海外で回収できないから当然だ」
というなら、なら医療機関は?となるだろうし、なら輸出企業の代
表で圧倒的に莫大な還付金を受け取っている自動車産業、特にトヨ
タ自動車だが、そもそも消費税は「価格」にまつわる税である。価
格と云って別にどこに公定価格があるわけでもない。それは「力関
係」である。トヨタなどの超大企業である自動車メーカー行う商取
引の主な相手は部品下請けである。価格は力関係、メーカーと下請
けの力関係はどうしようもない。公取委がわずかに勧告してどうな
るものでもない。消費税折込の価格にまで値下げさせ、形式的に
消費税を支払った形にすればいい、この手の取引は際限がない。き
れいごとでは片付かないのだ。その切り下げさせた部分が全て輸出
際して「還付」されるのだ。2023年では消費税収入は23兆5千億円
ほどだが、輸出企業に還付された金額は7兆6千億円ほど、ゆうに30
%は超えて実質、三分の一だろう。輸出補助金の隠れ蓑、という元
のフランスのVTAの性格そのままである。
トランプ大統領が問題視するのは当然であり、これほどの優遇を
受けている自動車メーカーへのアメリカの関税に対し、御用新聞、
マスメディアが「国難だ」、政府は全ては超大企業、輸出企業の利
益が害されると即座に反応だが、個人納税者への冷酷な態度と比べ
てこの国が何のために存在しているのか、まことに皮肉な気持ちに
ならざるを得ない。
この記事へのコメント
トヨタが行った自民党本部への献金は5千万円。それによる減税効果は4145億円。
大企業に恩恵があり、「財源がない」という説明には無理があります。