日本の教育制度の大欠陥、一貫しない中等教育、高校入試が一大イベント、大学が一般教育、専門教育とも半端


 日本は高学歴化が進んでいる、古来「猫も杓子も大学」と
云われるが実態は違う。四年制大学の進学率は世界で上位50位
にさえ入れない。25%前後しかない。最終学歴が高専、短大が
15%を超えるていど、高卒が45%前後、現在でもなお中卒者は
13%以上もいる。最終学歴が中卒には相当な数の高校中退者が
含まれるから、純然たる中卒者が13%というわけでもないが。
大学進学率に統計上、短大、高専を含ませることが多いが、や
はり大学進学とは言い難い。日本は基本的に高卒の国、という
性格は今なお変わっていないと思われる。韓国は世界第2位の
大学進学率を誇り、正直、「高卒者はちょっと変な人間とさえ
思われる」くらいで大学進学熱は日本とは比較にならないほど
高い。だから就職は激烈な競争となる。

 日本の教育の欠陥は

 ①中等教育が義務教育、非義務教育に分断され、愚にもつか
ない高校入試が大げさでなく、大学入試に並ぶ一大イベントと
なっている。むろん、中高一貫ではこの根本的な弊害は完全に
クリアーされている。

 ②後期中等教育の高校の教育レベルが低い。

 ③戦前は高度な一般教育の旧制高校(大学予科)の3年と専門
教育の大学3年の計6年が新制大学では基本4年で一般教育
も専門教育も半端に終わってしまう。6年制の医学部、歯学
部、薬学部、獣医学部ならしたがって問題はない。が、高度
な一般教育は徹底されない。4年制の他の学部は本当に半端
であり、日本の大学の低評価に直結している。


 旧制高校3年、専門教育だけの旧制大学3年、という制度は
現在世界には見られないが、しかし、これは戦前の日本の教育
制度の優れた部分である。日本は「大学の早期卒業」ばかり話
題になるが、大学の評価という点でプラスはない。

 アメリカの大学は一般教育も含め、4年制だが単位取得数
が重視され、日本のような学年の意識は非常に低い。4年で失
業の割合は低い。実質6年制という指摘もある。4年ではやや
無理がある。

 もし、日本の教育制度を変えるなら、

 小学校を5年制とする

 中等教育は6年一貫とする、その6年までを義務教育とする。
教育内容の高度化を図る。第二外国語も選択肢とする。

 大学は難しい、あまりに低調な一般教育、専門教育は5年制
とすれば改善されると思うが、仕送りは容易ではない。大学へ
通わせる費用は容易な額ではない。とにかく日本で大学に子弟
を進ませるのは容易ではない。4年制大学の進学率の低さにも
直結している。

 日本の多くの大企業が「新卒の年齢制限24歳」であり、これ
が日本の教育制度の形骸化を招いていると言わざるを得ない。

  
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