瑞穂の国の米作の危機、政治に翻弄され、コメが関税交渉の材料に。ついにコメの自給も崩壊か

まず現状はコメが量的に不足しているのかどうか、基本的に
は不足の傾向である。昨年のコメ不足で新米を早出し、2024年
に収穫のおコメももう余裕はない。日本のコメ作りは高齢化と
後継者難で先が見えない。現状はコメ不足である。そこで、石
破指名の小泉進次郎農相の備蓄米無制限放出、単にコメの価格
だけが問題だったわけではなく、基本的にコメ不足の状況があ
る。国の腹の底はアメリカ米のさらなる輸入、大規模化と思え
ば確かだろう。
では農家の米作り、従来のように転作に補助金が出ているの
だろうか?実は特に昨年までと変わっていないのだ。農家はな
お、米作からの転作を続けている。野菜、麦や大豆への転作で
ある。実質減反は継続中だ。「コメの需要は毎年20万トン、約
3%減っている。コメあまりを防ぐために、減反はやめるわけ
にはいかない」と全国で命じられているという。「これほど、
コメ不足で価格も上昇なのに、なぜ」という農民も多いが、国
の出先機関の職員は答えないというのだ。減反しなければ米価
は暴落は免れない、というのがその理由だろう。
コメは高いという。5kg、4600円でも農家が実際に受け取れ
る金額は辛うじて半分である。だが精米から加工、運送、仲卸
、小売で5kgのコメの経費は1000円ていどだと云う。だから、5
kg、3600円でいいのだが、それがなぜ4600円になるのか、であ
る。
大手飲食、コンビニなどの大手は9月ころに翌年8月までのコメ
は抑えて契約してしまう。1年分を早々と契約するのだ。収穫期で
実際は60%ほどは契約済となって残り40%がマーケットに出る。
現時点でなお浮いているおコメはほぼゼロに近いという。
昨年の作況指数は101、で農水省は「平年作」といったが、それ
は玄米レベルで、精米レベルではない。猛暑で耐寒性に特化した、
主要な品種のコメは実入りが低下、新潟などは一等米はほぼゼロだ
ったという。精米五の歩留まりが悪かった。作況指数101は幻想だ
ったわけだ。だが減反は続いている。
現状はコメ不足の状況は事実だ。農業経営は赤字で後継者難、そ
こからアメリカからコメ輸入拡大要請がある。実は国が小泉進次郎
を農相にした大きな原因はトランプ関税だ。日本政府がもっとも優
先するのはトヨタなどの超大企業の自動車メーカーの利益である。
トランプ関税との交渉材料にコメの輸入を取り上げる、国内の米作
は減反させ、低迷させ、コメ不足、値上がりを招き、消費者の不満
が増す方向に実は誘導されている。店頭で割安販売のミニマム・ア
クセス、MAについて海外から高く購入し、消費者に安く売る、す
でに2020年でその差額、つまり国民負担が600億円にのぼっている
という。現状のコメ不足で輸入拡大すればさらに国民負担、税金投
入はエスカレートするだろう。だがそれを絶対的に正当化するよう
に国民を誘導しているのが日本政府、その道具の小泉農相というこ
とである。
アメリカ米輸入が国民負担のアメリカ農家の所得補償なら、なぜ
最初から日本の米作農家に所得保証をし、コメ生産を増やさないの
か、である。
日本のコメの真髄は大規模化に適さない、中間山地での地道な管
理、品質向上の努力である。単に規模拡大か否かで日本の米作りを
決めつけるべきではないのは当然である。単に大規模のアメリカ米
でなく、日本農家の努力の結果のプレミアム米に日本の米作の真髄
があるはずだ、それは日本の国土保全にも大きな貢献となっている
が、・・・・・転作、減反指導で日本、瑞穂の国は崩壊寸前である。
マスメディアは備蓄米の価格がいくら、その大行列ばかり報じて
結果は情報操作、世論誘導で報道ともいい難いが、真の問題は目先
の価格ではなく、その背後の米作農家の姿である。アメリカですら
小規模農業の支援に舵を取りつつある。日本は自作農の数は劇的に
減少、村落の維持も困難になりつつある。縄文時代いらい、受け継
がれてきた「瑞穂の国」の伝統が半ば途絶えようとしている。価格
高騰は問題でも、価格だけに国民の意識を集中させ、古古古古米ま
でついに、食堂などはコストダウンにしても備蓄米の趣旨に反し、
健康上の問題も孕む、倫理に反する政治行動と言っていい。
備蓄米大報道で最重要の食料安全保障が全く論じられない。アメ
リカ米も生産は低調に推移している。自前の食料確保、日本ならで
はの米の品質を考えれば、消費者と生産者が折り合える米価水準に
もと、米作拡大、農家への所得補償に大きく踏み出すべきだろう。
唯一、自給できていたコメの牙城が崩れる寸前である。日本人は何
かといえば他国を嘲笑うが、ついにコメすら持久できなくなった日
本は安全保障の根幹が破壊、・・・・・寸前ということである。
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