映画「国宝」東宝、映像美はいいがドキュメンタリーを装って、モデル問題などで誤解が生じかねない。現在歌舞伎界はタトゥー禁止!暴力シーンが異常に多い!社会的な悪影響は見過ごせない。東宝の責任を問う。


 吉田修一の芸道小説『国宝』の映画化である。歌舞伎役者は
、そのそも人間国宝に指定されるケースが非常に多い芸能であ
る。それだけ国が価値を認めているから、なのだが、「国が
多数を国宝と認定するほどの歌舞伎界を描く」が原作のモチー
フ、その映画化だが、、、、、、多くの人は小説は読んでい
ないと思う。まず映画である。小説は芸術選奨文部科学省、・
・・・・だそうで国のお眼鏡にも叶っているということだ。
・・・・・・まあ、私も歌舞伎には多少関心があり、長く、松
竹歌舞伎会にも入っていて(苦笑)機関誌もつぶさに熟読、で
もないが読んでいる。

  小説は知らない。原作に忠実にせよ、監督、脚本を書いた
原作者も歌舞伎の黒子の経験あるという。

 しかし、映画を見て世間に大きな誤解を与えかねないと私は
危惧せずにはおれない。現在、歌舞伎界は実際に入れ墨を彫る
のは御法度である、しかし映画はやくざ者の息子が幼くしてタ
トゥー、父親をやられた報復を仕掛けたが果たせず歌舞伎の名
門の部屋住み、そんな背中がモンモンでいっぱいのガキをいれ
るはずがない。原作者の吉田が長崎県出身もあってか冒頭、長
崎、ヤクザの襲撃で父が死ぬ、で歌舞伎界の名門に入門、あま
りに荒唐無稽で、それに該当の実話はない。歌舞伎界のイメー
ジダウンにもなりかねない。さらに若者をタトゥーに誘引しか
ねず、さらなるタトゥーの蔓延の懸念、社会的に悪影響は無視
できず、不見識もはなはだしい。歌舞伎業界をヤクザ世界の類
型のような表出、あまりに過剰な暴力シーン、あまりにヒドい
と慨嘆せざるを得ない。歌舞伎をダシにして若者を非行に誘い
かねない。東宝の責任を問いたい。歌舞伎業界の名誉も毀損し
ている。

 さらにさらに、西暦であたかも実話のように画面を作ってい
る、2014年、人間国宝、女形で、・・・・・坂東玉三郎は2012
年、人間国宝だから主人公が玉三郎と思われてしまう。玉三郎
は東京の料亭の生まれ、芸養子で守田勘弥、その妻は水谷八重
子だ、映画は何をモデル?実話めいた描き方でこれでは迷惑を
こうむる人が多そうだ。玉三郎はその代表である。水谷八重子
は娘二人である。

 映像の美、重厚さはいいが、暴力シーンが多すぎる。現実の
歌舞伎界、興行の世界はヤバい世界にしても、ヤクザ活劇と
なにか誤解して、というのか誤解に導いてしまう。繰り返すが
入れ墨はいただけない。歌舞伎役者が貼り絵で入れ墨はある。
だが実際に入れ墨は厳禁である。これは強調しておきたい。再
度云うが、既に若者に、社会に蔓延のタトゥーをいっそう蔓延
させる悪影響という効果は重大である。

 芸道映画として確かに歌舞伎界の内部は描いている。それは
そうとして、では?実話に基づいて?と考えたらこれが曖昧で
、モデル問題でイメージダウンさえ生じかねない、荒唐無稽な
設定、描写が多い。「歌舞伎界に材料はとっても創作で実話で
はございません」と最初に明記すべき映画と思った。歌舞伎界
が実在の世界だから難しい面がある。

 現実、歌舞伎興行を仕切っているのは松竹である。だから松
竹はこのような映画は作らない。それを知っての東宝の制作だ
ろうか。松竹の社長?を揶揄するような部分もある。東宝歌舞
伎も確かにあるが、何か東宝の制作意図に疑問を感じる。非常
に深い疑念を見てしまう。松竹の歌舞伎興行支配に多少でもク
サビを打ち込む、歪んだ深謀を感じるのは考えすぎでもなさそ
うだ。

 東宝だが、私は松竹制作で歌舞伎役者、総出演、玉三郎も出演
の正真正銘の歌舞伎ドキュメンタリー映画を望みたい。

 本物、、玉三郎、藤娘

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