トランプ大統領をイラン攻撃に突き動かす、イラン米大使館人質奪回作戦(Operation Eagle Claw)の大失敗のコンプレックス

high
 アメリカが歴史上、最もメンツを失ったことは?決してベト
ナム戦争ではない。あくまで東南アジアへの介入である。アメ
リカ自身に突きつけられた問題で四軍(空軍、海軍、陸軍、海兵
隊)総動員でヘリが輸送機に衝突炎上という大失態、無惨な作戦
作戦自体の失敗に終わった。その直後の駐英イラン大使館占拠
事件をイギリス特殊部隊SASが見事に解決したこと、さらに19
76年のイスラエル軍のエンテベ空港でのあまりに鮮やかな人質
奪回成功、それらの手際の良さに比べ、アメリカのあまりの不
甲斐なさ、アメリカの国威は失墜したわけである。そのため、
アメリカ大統領、民主党のカーター大統領は一期だけの大統領
となって共和党のレーガンに大統領の座を明け渡した。

アメリカ軍の無惨な失敗のザマを見るイラン人

 2504.jpg

 このイラン米大使館人質奪回作戦の失敗はその後の、実はイラ
ク侵攻、フセイン政権打倒にもつながったが、どうにも肝心のイ
ランに対し、イーブンな状況には到底なっていない。それが常に
アメリカにとっての癒やし難いコンプレックスとなり続け、どう
してもそれが解放され、カタルシスを得ないと収まりがつくはず
はない。

 直接は、もう長いがイランの核開発問題である。「決して核を
持たせてはならない国」のイランであるが、アメリカはイランの
軍最高司令官の殺害などでは癒せない、長年のコンプレックスの
解放、カタルシスを何としても得なければならない。それは単独
でなくイスラエルとの共同作戦が好ましい。イスラエルの生存は
戦争の大義ともなるし、やはりイスラエルは頼りになる国である。
アフガン撤退でもアメリカは面子を大きく失っている。それは何
かによってリカバーされねばならない、イラン体制破壊である。

 空中給油機が多数、アメリカから大西洋を渡ってまずは欧州に
着陸している。トランプ大統領も、のるかそるかの瀬戸際ではあ
あるが、このまま何もやらないわけにはいかない。無条件降伏を
イランから引き出せば、これにまさる成果はないが、どう落とし
所、というよりコンプレックス解消には体制転覆は最低条件であ
る。この数日が攻撃のタイミングだろう。

この記事へのコメント