郵政民営化で、なぜ「郵政監察」は廃止?郵政三社の不正の蔓延、郵便の点呼不正の根底にあるもの。JRは民営化後も鉄道警察存続

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 マスメディアは表向き、郵政民営化を現在でも批判できない
のだろうか。今日だったか、共同通信かどこかの記事、「民営
化される前と変わらなかった」から、点呼の形骸化、飲酒運転
の続発なという郵便局の乱れが生じた、・・・・・・だったら
公社時代、飲酒運転が続発していたというのだろうか。私は、
公社時代、多少の問題はあっても、決して現在の民営化された
日本郵便のような規律の乱れはなかった、と考える。事実そう
である。マスメディアは決して重要な分かりきったことさえ報
道しないものだ。全国紙は政府からの、政府系からの広告も入っ
ている。基本、新聞、放送は政府の意向に沿った情報操作を行う
しかないのである。肝心なこと、郵政民営化は1994年以来のアメ
リカの対日年次要望書に毎年、最重要項目として載せられていた。
だから小泉純一郎の郵政民営化はアメリカの要求に従っただけな
のだが、日本の新聞、放送で「対日年次要望書」に触れたケース
はほぼゼロに等しい。それは消費税の30%以上が輸出企業、ほと
んどは超大企業への還付に使われる、という最重要の分かりきっ
た事実さえ、新聞、放送局はほぼ完黙というのと変わらない。

 テーマを広げても仕方がないので、現在問題の日本郵便の点呼
の形骸化、職務規律の異常な乱れについて述べると、これは御用
メディアが云うように「民営化前」と変わっていないのではない。
民営化されてから顕著になったことは間違いない。

 その大きな制度的要因、間接的にも多くな要因は民営化され「
郵政監察」が廃止されたことだ。

 郵政監察とは、公社時代、郵便物、その配達や郵貯、保険など
の業務に関する不正行為や犯罪を取り締まる制度で、郵政監察官
は特別司法警察職員として、郵便事業に関する不正、犯罪の捜査、
被疑者の逮捕などを行っていた、・・・・・だが民営化で廃止され
た。現在は「監査部門」が存在するが、司法警察機能はないし、不
正防止のために700億円投じての監視カメラも民主党政権で「職員
の士気を低下させる」と全て撤去したのである。

 だが「民営化されたから監察制度廃止は当然?」だったのだろう
か。ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、郵便局会社三社に対して従来
の司法警察機能の監察制度は消え去り、市場原理主義のコンプライ
アンスの手法に依存したことこそ、郵政三社における犯罪、不正増
加の根幹にあると見て間違いない。この点も、マスメディアは絶対
伝えない。

 郵政民営化の過程でさして、というよりほとんど議論なく郵政監
察制度が廃止されたことが犯罪、不正の増加の大きな要因であるこ
戸は確かだ。まず、司法に基づく、究極のコンプライアンス機能の
制度は、郵政民営化という郵政私物化を貫徹するため、さぞ目障り
に思われたのであろう。この点は実は郵政監察制度はグローバルな
制度として、その国際的情報交換の強化が実に有意義であり、アメ
リカも日本郵政の監察制度廃止を遺憾なものと捉えていたのだが、そ
れが民営化反対と取られることを懸念し、あえて日本に何も言わなか
ったという。

 アメリカの郵便事業、郵政は国営堅持であり、その郵政監察制度の
厳重さは折り紙付きだ。かって9・11事件の折、毒入り郵便物の捜査
のために国連に働きかけるなどフルに活動した実績もある。またスイ
スでは世界の郵政監察の捜査官が集まる会議が時々開催される。そも
そも郵政監察制度は、戦後、民主主義制度の重要な柱として創設され
たものだ。

 民営化されたから郵政監察制度廃止は実は暴挙であり、これこそが
郵政三社、だから郵便の点呼不正、飲酒運転の蔓延の抑制に大きな役
めを果たすものであった。国鉄がでは分割民営化されて、鉄道公安職
員、鉄道警察機能が廃止された?はずはない。鉄道警察隊に再編成さ
れたのである。民営化したから、は理由にはならない。だが郵政は、
最重要な制度である郵政監察制度をなんと廃止してしまったのだ。
国会議事録でも議論の痕跡すらない。当時のと労働書の女性局長を冤
罪に追い込んだ郵便不正なども監察制度がないため実質、迷宮入りで
ある。郵政監察制度を世界でも稀有に廃止の日本、郵便犯罪に直接に
司法権を持って対処の専門機関が日本から消えさったのである。これ
こそが民営化後の郵政三社の犯罪、不正の増加の根にある。郵便の点
呼不正もその現れである。なぜマスメディアが「郵政監察制度廃止」を
問題として取り上げないのか、恐るべき、怠慢というより、情報操作と
いうほかない。

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