清岡卓行『窓の緑』1977,随筆集、柔らかな感受性

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 そもそも清岡卓行とは、だア1922~2006.中国は大連の生まれ、
一高から東大仏文、・・・・・でも本当に東大仏文て文学界に
逸材を輩出しますね。在学中にプロ野球連盟に就職、リーグ分裂
後はセ・リーグ事務局に、「猛打賞」という言葉の発案者、1964
年に退職、法政大講師、その後、教授に。1980年まで勤務。

 芥川賞は『アカシヤの大連』、だが基本、詩人である。多くの
著書があるが、声高に観念論を振りかざすようなこよはない。実
に控えめで日常生へのふかい愛惜に満ちているようだ。まさに「
感性」というものだが気取った様子はない。

 この本は著者の随筆集で貴重だろう。その日頃の感受性が、い
たってさりげなく、にじみ出ている散文である。38篇の短文を
収録している。内容は野球、友人について、絵画芸術、追悼文、
詩、夢、などと著者の内面と日常生活を綴っている。

 音楽についてはクラシックを二日聴かないと禁断症状に陥ると
いう。ハイドンを「晴れやかな悲しみと呼ぶ」。絵画では岡鹿之
助を高く評価する。自然の風景は「多摩湖」の優しさに惹かれる
という。好みはその感受性の誤魔化せぬ部分である。岡鹿之助の
「森の館」を見て、「その細部があまりに緻密で、新鮮に、ほと
んど忘我の熱中を持って描かれている」ことに感動。

 「夕日と葬式」という短文、殺伐たる日常の中に著者のデリケ
ーロな神経がいかに美を発見するか、を示しているようだ。多摩
湖周辺に夕日が差し込む瞬間の感動を、「なんという全的で輝か
しい明るさ。私が覚えたものは、名状しがたい、一種の恍惚感で
あった」それが金子光晴、渡辺一夫を失った悲しみと結びつくと、
それが初めて詩となるようだ。自然、感受性、作詩という外界と
言葉を繋ぐ線はそれを見事に示す。

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