やはり歯科医師の不足は将来も生じない、だが歯科技工士が消えていく歯科医療の危機は現実化
最近、将来、歯科医師が不足するという予測が提示される
ことが多い。その「将来」がいつのことやらわからないが、
極端に未来の話でない限り、歯科医師が不足はまず起こりそ
うになく、やはり依然、過剰が問題となり続けることは間違
いないと考える。すでに歯科医師数が飽和を通り超えている
うえに毎年、2000人以上の合格者数は確実である。高齢の
歯科医のリタイアが増えるのは事実だが、それをもってして
も過剰の解消の目処はない。
歯科医師がどうこうより歯科医療でまさに現実の問題は「
歯科技工士」の不足である。高齢の歯科技工士のリタイアは
増加する。これは歯科医師よりはるかに顕著である。その養
成の学校自体は今なお52あり、本来的養成所は48である。閉
校したケースも少なからず見られるがなお養成所数は十分あ
るとみていい。だが入学者数が減少の一途で定員充足率の低
下が顕著で、途中退校者も増加傾向である。本年度の合格者
数は700名を下回っており、資格を取得してもそもそも就業し
ないケースが非常に多い。早期の他の職業への転向も多い。
入校者の現象、中退、資格取得でも歯科技工士に就業しな
いケースは増加の一途で、結果、永続的に歯科技工士職に就
く若年者は激減である。
元来、現在も多くの国が実はそうだが、歯科技工の仕事に
資格は不要であった。それは県知事認定の資格の時代になり、
最終的に歯科技工士が「国家資格」となったのは1980年前後
だったと思う。これに見られるように、非常に資格的には軽
視されていたのは事実だ。その性格は今なお存続していると
言わざるを得ない。
キャドキャム冠のように従来の歯科技工の枠を超える補綴
物も保険医療に導入されているが、それとてそれを作るのは
、やはり歯科技工士である。仕事は十分以上にある、が、いか
んせん、何とも異常な辛気臭い仕事と言わざるを得ない。高度
の仕上がりが求められ、クレームが続くとたやすく契約打ち切
りになりかねない。歯科医の生存競争は非常に厳しいから要求
度も高くなる。黙々と歯科技工に取り組む辛さ、を思えばと
他の業種に若い人ならすぐ転進してしまう。
依然、歯科医師は超過密だ。だが歯科技工士は真逆の状況
である。うちも、おひとりの歯科技工士さんと長いお付き合
いがあるから、どうにかやっていけるが、もし、となると
完成などに非常に長い時間がかかる法人組織の歯科技工所に
依存せねばならず、もう従来の迅速な完成は求められない。
今後、歯科医技工士数が増加はまずあり得ない。危機が続く
わけである。
義歯の重要な制作工程 「埋没」
この記事へのコメント
昨今のブログで技工士不足を知りました。