上顎総義歯はぜひとも無口蓋義歯がオススメ、ただし義歯安定剤の使用の条件付き。
確かに自分の歯で生涯噛めたら、とは思うものだ。カリエス
(虫歯)から歯髄炎、歯根膜炎と進みがちだ。そこで「歯内療
法」も駆使して歯冠補綴で回復を図るが、いずれ支える歯根も
必ず摩耗、破折などで崩壊していく。そこを無理に接着性セメ
ントでなお継続しようとするが、これは非常な不潔、口腔内の
不潔を招きやすい。さらに残存歯根による炎症も起きやすく、
これがまた苦しみになる。
ある時点できれいさっぱり総義歯になったほうがいい、
ただ人工歯である。これはインプラントも全く同じであり、
歯冠補綴歯では歯根膜からの神経線維が大脳、小脳の咬合、咀嚼
運動野と繋がって情報伝達と脳からの指令によって生理的な咬合、
咀嚼、同時に咽喉部の筋肉の運動も連動して嚥下がスムースに行
えるが、人工歯となった義歯、インプラントでは生理的な本来の
意味の咬合、咀嚼は出来ない。それは義足が神経線維で脳とつな
がっていないから、形だけの歩行しか出来ないのと同じである。
しかし自分の歯はいつかは瓦解する、義歯かインプラントだが、
侵襲が大きすぎるインプラント、話を上顎に限れば副鼻腔での炎
症状、さらに脳梗塞のリスク増大となるから義歯の選択がベター
である。
さらに申し上げたいのは義歯の美点は可撤性ということである。
外すことが出来る、義歯自体と口腔内の消毒が可能ということで
ある。インプラントは現実外せず(外すとなると往々にして外科
手術的になる)、衛生の徹底が至難である。衛生命ができない人
は決してインプラントをやってはいけない。
で、上顎総義歯であるが通常の口蓋を覆ったものを口腔に入れ
たら、・・・・・驚くはずだ。口腔の運動、機能が極度に阻害さ
れる。
口腔内の容積が上顎総義歯によって小さくなる。さらに口蓋ま
で覆われたら、水さえ容易に飲めないしとにかく話しにくい。
「こんなもの入れていたら生きていけない」と思うはずだ、
上顎総義歯を違和感なく実用に使うため条件がある。補綴学者
が通常の歯科医が言うのとは異なる。
①上顎総義歯の場合、口蓋部をほぼ切除する。無口蓋義歯化。
②無口蓋義歯化して残りの義歯床を可能な限り薄くする
③義歯安定剤を必ず使用する。これなくして無口蓋義歯は使用
できない。
大学歯学部でも補綴で義歯安定剤について、ほぼ教えることは
ない。補綴学にとって義歯安定剤は邪道という思い込みが強い。
その結果、安定剤なしで、義歯の維持安定のため、義歯床の面積
を非常に大きく取ることが正しい考えと叩き込む。だが実際、患
者さんのことを考えるべきだ。補綴学のために患者さんはいるわ
けではない。
上顎総義歯は無口蓋、しかも相当徹底した無口蓋義歯でないと
実用になりにくい。
患者さんに安定剤使用でほぼ完璧、という反応をいただいた無
口蓋義歯。
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