あゝ、故郷は遠くなるばかり

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故郷、すなわちルーツでもない。ルーツをどう考えるかだが、
父方、母方それぞれの祖父母の出身地をルーツ候補とすれば
私の故郷はそれら全てに該当しない。私自身が生まれ育った
が高卒まで、以後、そこから実家は消滅した。叔父夫婦が二
組いたが一人のおじは亡くなり、その妻、義理の叔母だが、
101歳まで現在の私の居住地近くのホームにいた。母は全然
、どころが逆に生涯、いたぶり続けたが叔母たちは皆、可愛が
ってくれた。この義理の叔母などは私の幼い頃が懐かしいのか、
ホームに面会に行って帰るさい、駐車場で車に乗ろうとしたら
玄関まで車椅子で見送ってくれ、大きな声で「~ちゃーん」と
手を振りってくれたほど。その叔母も亡くなったようだ。故郷
になお生きるもう一人の叔父だが、家は江戸時代の建築、明渡
しを求められても「生まれ育った家だから」と意固地に住み続
けている。自分はいいだろうが、家族はどうなるんだろうか。
近所の人は「壁が崩れそうだ」と懸念している。もう限界を通
りこした超老朽の古民家になぜそこまで、叔父も90歳すぎだろ
うか、残された家族はどこに住むのやら。

 遠縁の親戚も故郷にいたが子どもたちは皆、街を出てしまっ
た。もうほぼ誰もいなくなる現住所から故郷まで距離は遠くな
いが行くとなると峠越え、結構な難所で道も厳しい、夜などは
危険で走れる道ではない。近いが、あるいは生涯、行くことは
ないかもしれないとさえ、思っている。

 故郷に残る同級生たち?意外に残っている。先祖伝来の農地
というケースは多いが、やはり帰巣本能を持つ人中に入る。私な
どは親があまりに汚点、味噌をつけて正直、みっともなくて帰る
気がしない、というのが本当のところ。無論、実家は人の手に渡
っている。懐かしいかと聞かれたら、もう懐かしいとは思えない、
というのは正直。「4歳まではかろうじて楽しかった」というと
ころだろうか。家庭がひどすぎた。類例はあの町では見いだしが
たい。家庭のひどさ、両親のひどさ、がそのまま故郷への好まし
くない気持ちに通じている。あれで普通の家庭だったら、まず悪
くない町だと思う。だが全て過ぎ去った、もう過去の話である。

この記事へのコメント

細田
2025年10月21日 10:04
同じく
killy
2025年10月21日 18:28
定年退職後に実家へ帰られる人がいます。知っているみなさん80代です。