湯郷温泉で福山市の女性が浴衣、サンダル履きで失踪。到達地点という目標をもった鬼気迫る健脚の果てにあるもの


 5月1日、岡山県湯郷温泉、香譜温泉に宿泊していた福山市の
5人、高齢夫婦と長女夫婦、孫ひとり。ご主人が最後に見たのが
午後9時頃、多分また大浴場にでも行ったのか、と思っていたが
入っていない、部屋に帰ってこない。だがその76歳の女性は浴
衣、サンダル履きで背筋を伸ばし、異様なまでに健脚でスタス
タ歩いているその女性の姿が何箇所もの防犯カメラに撮影され
ていた。その歩く姿、何か肉付きがよく、姿勢がよい、という
よろ多少反り加減、まさにすたすた歩くさまはちょっと鬼気を
漂わせているともいえる。

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 私は長く福山市に居住で現在は岡山県在住なので、ちょっと
思い当たる要因もないでもない。

 その歩く姿は明らかに、どこかに向かって歩いていることを示
しているかのようだ。決して気まぐれの彷徨ではない。最後に目
撃されたのは翌日の朝、5月2日、午前7時過ぎだというから、一
晩中歩いたのか、どこかで休んで、また歩いたにしても、その地
点は山中に向かう小径である。

 「名前は云えても、住所は言えない」というが福山市も言えな
いほどなのだろうか。アルツハイマー痴呆、大雑把に言えば認知
症なのだろうか。

 間違いなく、どこか目標を持って歩いている、76歳女性とは思
えない、しっかりした歩き、反り加減ほどの姿勢、すたすた、で
ジョギングかと思った目撃者もいたほどだ。だが真夜中、浴衣、
サンダル履き、異常だ、奇怪だ。

 岡山県の東部の県北というべき湯郷温泉に来るくらいだから、ま
ず他の温泉にも、もっと近場の温泉にも家族で何度か行っているは
ずだ。福山市内にも結構、名の知られた温泉がある。鞆の浦にある
鴎風亭、漣亭などは人気で、例のポニョのヒントにもなった。他に
山中の温泉もあるし、街中の温泉もある。

 岡山県人ですら湯郷温泉の具体的な場所はよくわからない。美作
市というが、これも話には聞くがとんと見当がつかない。岡山県西
部と福山市は生活圏的には一体だから、この感覚は福山の人も共通
だろう。痴呆的傾向の人なら想像もつかないだろう。

 なお岡山県はどこに境界にあるわけでもないが、県南の人は県北
が何か怖い、という感情があり、出来るなら県北に行くのは避ける
傾向があると思う。

 湯郷温泉、…‥その場所がまず見当がつかない。どこに連れてこら
れたのか、それも分からなかったはずだ。だから福山市内の山中の温
泉にいると、・・・・その女性は誤解した。そこから自宅まで歩いて
帰れる?むろん住所はどこか分からないが、女性の意識の中において
福山市内の山中の温泉であり、歩いて帰ることが可能な場所だ、とい
う思い込みがあったのではないか。

 でもなぜ外に出た?歩き続けた?急に家に帰りたくなったから、く
らいしか考えられない。明確な目的地があった。それがあの歩き方で
ある。夜になればどこの場所やら、福山の山中も湯郷も区別などつか
ないだろう。私自身、福山市に長く住み、現在、岡山県西部在住だが、
その経験からして失踪した女性

 まとめれば

 ①湯郷温泉、岡山県北であることを全く分かっていない、今どこか
 という場所の感覚がまったくなかった。

 ②福山市内のどこかの温泉に来ている、あるいは実際に宿泊したこと
 がある福山市内の温泉と混同している可能性が強い

 ③だから歩いて自宅に帰れると考えていた。ただの彷徨ではなく明確
に到達地点という目標を持つ歩き方である。

 ④なぜ夜中に自宅に帰ろうとしたのか、これは疑問だが目的を持つ歩
きかたから考えてそれしかあり得ない。

 ⑤最後の目撃されたのは翌日の朝、5月2日の午前7時過ぎだという。
 夜中じゅう多分、ずっと歩き続けてさすがにこの時点では疲労の様
 子だったというが、76歳という年齢を考えれば超健脚、また体力で
 る。

 ★では現在はどうか?5月1日の夜、温泉宿から出て一晩中だ。朝の
 目撃が最後。3日は本降りの雨、4日は低気圧襲来で超強風が吹き荒
 れた。最後に目撃された場所は山中の小道である。あのまま進んで
 も、「自宅」はない。もう今日で失踪12日である。

温泉から 徒歩で、最後の目撃地が小さく赤と黒で目印、その道を
どちらに進んでも山中の細い道に入るのみである。

 
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