日高路子『アメリカひとりぼっち』1958、平凡出版。日高パーティの娘のテキサス滞在記。もっぱら、あの話ばかり。何のための留学だった?
あの男女交際誘因が目的?の日高パーティー、主宰者の海洋
物理学者の日高孝次、その娘のが著者である。
つまり東大教授の日高孝次が若い男女に結婚の機会を与えよ
うという名目で、定期的に自宅でダンスパーティーを主催、そ
れがいつしか有名となって「日高パーティー」と呼びならわさ
れるようになった。かなりの後、日高パーティーは廃止された
がその理由が「パーティーに参加し、交際しても結婚しない者
ばかり」だから、だという理由だった。やはり結婚させること
が目的であった。でその自宅で開催のダンスパーティーは娘に
影響を与えたようだ。
内容はさて、さしたるものとは思えない。ちょっと奇妙で人
によれば不快に感じる部分もあるが、でもこれを参考資料とみ
なせば十分以上の価値を持つのではないか。
「私は16歳で学習院高等科の一年生だった。学校から帰ると
、いちはやく化粧し、パーティーに出て恋愛論を振り回し、み
んなを驚かせた」
日高孝次は生涯三度も結婚しているが、この娘は何番目の妻
のときだったのか。彼女の母は戦時中に疎開の地、信州で彼女
に「今はこんな情けない生活をしているけど、世の中が落ち着
いたら世界中どこでも連れて行ってあげますからね」と時代を
考えれば豪勢なことを言う人だった。で結果的に外国行きが全
くの偶然に実現したのだ。
それは父親がアメリカのテキサスの州立大学に一年の契約で
行くことになり、このとき一家三人がテキサスの田舎町に滞在
となったのだ。
そこで彼女は17歳でその田舎町の高校に入ることになった。
といって英語などロクに話せないのだ。だから、どこまでも外
国からのお客様ということで学校に預ってもらう、という具合
になった。で一年後、契約終了で父は帰国、母も帰国、だが彼
女だけはもう一年、残ることになった。それは学習院高等科を
一年休学したので帰国したら結果的に一年留年したのと同じよ
うになる。それが癪に障るという彼女の気持ちゆえだった。テ
キサスのその高校にいたら、形式だけでも卒業となるのだ。
そのテキサスでの二年の生活が描かれている。だが学校生活
についてはほぼ触れていない。ほぼ全て、彼女が見た男女交際、
実際は性的な関係についての記述である。写実的なものではな
いようで、彼女の心の妬み、恨み、また想像でこしらえたかの
ようだ。
この本を読む限り、案の定、アメリカの高校生は勉強などせ
ず、男女交際、セックスのことばかり考えているような存在で
ある。これはフルブライトでアメリカの高校に留学した日本の
優秀な高校生の帰国後の怒りに満ちた文章でも読んだことがあ
る。
ちょっと眉をひそめたくなるのは、その滞在の町の近くに住
む二人の日本人女性の話である、母親もこの二人の日本人女性
と足しげく付き合っていたようで学校生活より、この女性たち
のことをはるかに多く書いている。それが結婚したアメリカ兵
、その性的関係をそのまま書いているのだ。やはり平凡出版の
本ということだが、妙に陰惨な内容だが著者は興味津々という
感じである。意図的にそのような話をさせるよう、仕向けてい
るかのようだ。また男子留学生と彼女が延々と話す性談義で、
これは編集者の要望だったのだろうか、
で早くから日高パーティーの影響を受けて育ったという女性
、あの方ばかりに関心を深めたようだ。
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