HEV用の超高性能ベースオイルの製造を日本の石油化学が行わない理由を考える。そのチャレンジ精神の希薄さ
当初、ディーゼル車用のエンジンオイル不足が問題化した
が、ここにいたってHEV,PHEV車用の低粘度、超高性能エンジン
オイルの不足が問題化している。
実は日本は伝統的に石油化学はレベルが低い。それは全国の
製油所がすべて欧米のメジャーの支援、つまり技術設備は完全
にメジャーのお仕着せであり、それは現在も継続中である。だ
からかって石油系メジャーが支配していた中東の油田に合わせ
て日本の製油所は作られているからアメリカ産原油は不適、と
いう状況が続いているわけだ。
そこでHEV,PHEV車用のエンジンオイルだが、そのエンジンの
極めて不規則、不自然作動状況ゆえにその問題をクリアーできる
ための高性能エンジンオイルが求められる。その製造には超高性
能のベースオイルと米国産の添加剤が必要で、日本の製油所は
輸入したベースオイルと添加剤などを調合しているだけである。
従来、戦前、戦中からエンジンオイルは日本はすべてアメリカ
からの輸入で戦争もエンジンイルはすべて戦前にアメリカから輸
入したものを使っていた。その伝統なのか、現在も超高性能エン
ジンオイル、ベースオイルなどを製造することはほぼない。完全
にゼロでもないがゼロに近い。
HEV,PHEVnのエンジンオイルのベースオイルはグループⅢ
、グループⅣ、GTLの三種があるが日本ではグループⅢのベース
オイルを輸入である。
グループⅢは高度水素化分解油、VHVIだが、中東と韓国、中国
に集中している。アメリカにもある。
端的にはアジアでのグループⅢの供給は韓国が担っている、とい
える。アジアだけでなく欧米にも輸出している。SK,GS Caltex,Sー
oilなどの韓国巨大製油所が生産を担っている。さらに中東にもアラ
コム、カタールの大規模製油所で生産されているがアジアに関して
はサプライヤーは韓国である。
日本の製油所は一部で製造されているが低品質なグループⅠ、Ⅱ
が中心で量も少ない。
日本の石化が超高性能ベースオイルの製造に全く消極的な理由を
原油調達の物流の手間、という意見もあるが、なら韓国も同じこと
だろう。中東生産がコストが安い、と云うなら韓国がなぜアジア最
大のサプライヤーなのか、説明できない。
日本の製油所がかっての1960年代後半以降、建設された規模も内
容も不十分なものが多く、高整能エンジンオイル製造に手が出しに
くい、無理をしてまで国産化は得にもならない、ということだろう。
韓国、中国、中国の石化プラントは日本の高度成長期に建てられた
製油所とは比較にならない大規模で最新であり、この面で日本の劣勢
が否めないわけである。
これをもって、日本の石油化学会社はチャレンジ精神に欠ける、と
云えるとは思うが、出発した状況、そのっもうスケール的に設備のレ
ベルもしょぼい現状では無理に国内で一からベースオイルを製造はメ
リットなしという考えのようだ。
したがってHEVなどの高性能エンジンオイルの品薄はイラン紛争も
あるが、同時に欧州の脱炭素ドグマによる製油所改変の過渡期、とい
う要因もある。基本的な品薄は当分続くと思われる。
アジア最大の温山、S-oil 石油化学プラント
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