「北方領土」永久未解決は本当に日本に有利なのか?
先日、プーチン大統領が択捉島を訪問、日本はそれにどうす
する術もないが、「型通り」の抗議声明を発しただけであった。
端的に云って日本が北方四島に徹底した原則論を言い通し、現
実の交渉と妥協を求めないスタンスは、国内向けの政治的立場
を有利に保つという意味と、外交的に冷戦構造の維持、ソ連と
実質交渉を拒否して関係の進展、好転を求めず日米道め関係を
反射的に強固にすることが日本の立場が有利になる、
端的に云えば北方四島を返還される利益より、返還されない
利益のほうが日本にとってはるかに本質的な利益である、口に
出さないが、実は戦後一貫した日本の本音と言って何ら過言で
はない。それはソ連も少なくとも国後、択捉の返還の気持ちは
なこと、それを日本も知っているからこそ、ならそれを利用し
て冷戦構造に身を置き、国内を愛国ドグマを叫ぶほうが国内で
の政治的立場が好都合となる、・・・・・ということであった
はずだ。日本国民の反ソ感情に沿う形の維持が続いてきた所以
である。
そもそもソ連の千島列島占領は1945年2月4日から同月11日
までクリミア半島のヤルタ、リヴァディア宮殿で行われた米、ソ、
英の三国での戦後処理の会談、ヤルタ会談で決定したことでそこ
には英米、特にルーズヴェルト大統領の非常にソ連よりの態度が
決定的に影響した結果である。この戦後処理の三巨頭による決定
だから、それを「国際法違反」ということは実質、無意味である。
ただそこには「秘密協定」があった。これが日本、戦後の日本に
も大きな影響を与えるものであった。
①ドイツ降伏後、2,3ヶ月以内にソ連が中立条約を破棄し、対日
参戦する。
②ソ連は対日参戦の見返りで、サハリンの日本領有部、千島列島
をソ連へ引き渡す。
③外モンゴルは現状維持とする。
つまるところ「北方領土」問題はヤルタ会談の結果ということだが、
対日参戦、満州侵攻はソ連にとっても大きな負担であり(中国の赤化に
結びつくとしても)日本本土侵攻という大きなリスクを前に。日本の力
を徹底的に削ぐために必要であった、という意見もあったのは事実だ。
★ところが先行するカイロ会談、1943年でカイロ宣言
自国のための領土拡大などの利得は求めない
戦争勝利国とて、勝ったのいいことに不当な領土獲得は許さな
い、ということだがカイロ会談にソ連は参加していなかった。
カイロ会談は蒋介石、ルーズベルト、チャーチルの三国でのもの
だが日本が明治以降、獲得の領土は日本は失うとしても、だから
、満州、台湾、澎湖諸島の中国返還が決定され、さらに日本の無条件
降伏を求めることが決定されている。
日本の無条件降伏と千島列島喪失、北方四島喪失はどうリンクす
るのか、という問題がある。「無条件」なあr戦勝国は何を決定し
てもいいのか、である。
★ヤルタ会談「秘密協定」は実際、すでに半ば痴呆状態にあった
ルーズヴェルトの過剰なソ連への譲歩であり、秘密協定に参加して
いなかったチャーチルは驚愕したが、どうすることもできなかった
という。
スターリンの「奪われたソ連領土」の返還という主張だが、樺太
、千島交換条約で平和裏に日本が獲得した領土で、別に不当に奪っ
たわけでもない。明らかにルーズヴェルトがスターリンの傀儡と化
していたのは否めない。
★ルーズヴェルトの超ソ連寄りの意向を汲んだのか、ソ連の千島
列島占領は米軍の圧倒的な支援、そもそも米ソの秘密の共同作戦で
あり、艦艇の提供、兵員の会場から上陸しての占領の訓練まで米軍
がアラスカの基地で行った。共同作戦だから米軍は艦艇のみならず、
燃料、物資も全面供給した。侵攻艦艇の全ては米国製であり、何か
ら何まで米軍亡くして不可能、だった占領であった。
かくして1945年8月18日ポツダム宣言受諾後、ソ連軍は千島列島の
最北端、占守島への侵攻を開始した。米軍との実質共同作戦だった。
そこで現実は?となる。北方四島の返還要求自体が半端で、日本が
ソ連から戦争などで奪ったわけでもなく、交換条約で獲得の千島列島
をなぜソ連が、圧倒的な米軍の支援もあって占領、の不当性であり、
北方四島だけを取り上げての要求が半端とも云えた。だが現実、固定
化してしまうとどうしようもないのも現実だ。
戦後の出発点
★1956年の日ソ共同宣言。
ソ連は日本と平和条約締結後、歯舞色丹を日本に返還する。
そもそも歯舞色丹は「千島列島」に地理的に含まれないから
どう考えてもソ連の占領は不当であった。
ただ、その後、日本は歯舞色丹の二島返還から北方四島返還を
絶対に転じて、そこから一歩も進んでいないわけである。
日本が二島返還で一貫していたら平和条約、実際の返還、があ
ったかどうか、疑問だろう。日本も冷戦構造の中、無理と判断し、
四島一括返還絶対とし、その後、堂々巡りということである。
現在は首相はロシア入国禁止でそもそも首脳会談自体不可能
で交渉によっては不可能である。だがソ連とは敵対関係を維持が
日米同盟強化につながり、日本にプラス、だから現実まず無理な
要求をいい続け、国後、択捉まで自国領としているのだが、この
状況は永久化するはずである。
ソ連時代、ゴルバチョフ書記長は「日本は北方領土のことしか
言わない田舎者だ」として日本との外交交渉は匙を投げていたの
も事実。鉄の女サッチャーは「ゴルバチョフを好きになった」と
云ったほどの革新家だった。
旧来の冷戦構造は崩壊しつつある。アメリカの相対的軍事力低下
である。イラン一国に対してもどうしようもない。中ソと首脳会談
も不可能な状況である。日本政府は国内的にも「四党一括返還」の
旗は絶対に下ろせない。ロシアとの関係改善は将来もないというこ
とである。
択捉島訪問のプーチン大統領
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